米子真武館からのお知らせ

昨年は大山開山1300年のイベントが鳥取県西部各地で開催されました。

その中でひと際注目を浴びたのが日本刀の天下五剣のひとつ「安綱」。

この安綱を生んだ地としての再認識のイベントには国内外から多くの方が

訪れました。

現在、日本刀がブームとなっていて、特に目を引くのが「日本刀女子」と

言われる女性からの人気です。

なぜ?女性から人気があるのか?

その理由を探ってみると、「日本刀が持つストーリー」「錆びる鉄で出来ているのに、

現在まで大切に残っている歴史」といった事や、「非日常的な魅力」「刃紋がきれい」などなど。

ブームのきっかけは、やはり3年前くらいからの「刀剣乱舞」のようです。

 

「刀剣乱舞」は有名ないくつかの刀が擬人化され、そのカッコいいキャラクターが

与える印象が大きく影響しているようですが、それをきっかけに、刀鑑賞の仕方や

魅力について勉強し、その魅力に引き込まれていったという話が多いようです。

 

日本刀が持つ美しさや歴史、その位置づけや構造など、魅力は様々で奥深いものです。

一過性のブームで終わらない事を期待します。

 

一方で、日本刀を所持してきた武士との関係や精神性、日本刀を使う武術への関心も

わずかですが感じられます。

古来から伝わる日本の古武術としての居合道も、最近、女性の姿を多く目にするように

なってきました。

日本刀を帯びて凛とした所作の美しさ、無駄のない和の動き、刀と一体化した精神性など、

これまで失われてきた日本の大切な文化のひとつが今でも先人のご苦労によって引き継がれて

きているのですが、様々なテクノロジーの進展のなかで、その存在が日常から見えづらくなっています。

また、東京オリンピックに向けてスポーツへの注目度は上がる一方ですが、スポーツの

運動理論とは全く違った古武術の優位性が見失われ、形骸化の危機にある中で、何とかこれを

継承していこうとする動きもあります。

 

まさか女性からのブームの流れになるとは思いませんでしたが、注目度が上がり、その存在を

知って頂くことは良いことで、それをきっかけに、「和の美しさ」を日本刀と、それを使う

武術から自身の魅力として身に付けていかれる日本人が増えていく事を期待するところです。

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